みそブログ

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多摩川でマラソンを頑張ってるサブスリーランナーのブログ。

挑むべくは飛騨の龍、臥龍桜の咲く先に・・・【レース前編】【飛騨高山ウルトラマラソン】

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挑むべくは飛騨の龍、臥龍桜の咲く先に・・・【プロローグ】はコチラ

 

時刻は午前4時40分。スタートまで5分と迫った中、本大会のプロデューサーであるランナーズ・ウェルネスの坂本雄次代表が開会宣言を述べる。

 

「ふーっ・・・後3分」

 

なんだかんだでスタートまではあっという間だったな。きっとゴール後にも同じようなことを感じるのであろう。

 

同時刻スタートでもあるメンバーの目里さん(仮称)岡山さん(仮称)と互いに緊張をほぐしながら刻々と迫るスタートを待つ。時計からも目が離せない。

 

「さぁ・・・行きますかっ!100km楽しんできましょう!!」

 

拳を合わせて小さな気合、大きな勇気を互いにもらい前を向く。

 

夜明けと共に開催の号砲が飛騨の山々に鳴り響いた

 

飛騨高山ウルトラマラソン、スタート。

 

龍のごとく昇りて山超える。我慢の前半戦

ウルトラマラソンにフルマラソンの常識は通用しない。

 

フルマラソンであれば3時間前後で終わるものがウルトラマラソンでは、単純にその3倍以上の時間をかけて走り続ける必要がある。

 

消費カロリーも体重60kgの方なら単純に考えて6,000kcal強、エネルギーマネジメント1つから、ペースマネジメント、シューズの厚さや服装など気を付けなければならない点が非常に多いのがウルトラマラソンだ。

 

かくを言う私も、以前に出場した際にエネルギー補給のタイミングを過ってハンガーノック(エネルギー枯渇状態)になってしまい、リタイア寸前にまで追い込まれたことがある。

 

他にも熱中症のリスクや胃や内臓を悪くするリスクなど、難しい点を挙げたらキリがない。

 

だからこそ私は、100kmを走りきった全てのランナーに敬意を表したい。完走するだけで十分称賛に値するのがウルトラマラソンだ。

 

そしてこの飛騨高山には、レースの難易度を更に上げるファクターとして、気温の高さがある。

 

気温30℃近い中で走りながら高さ500~1000mの山々を上り下りする、それも100kmだ。

 

そんな日本屈指の難易度を誇るコースに今まさに私が挑んでいるのだ。

 

ゴールしたときの感動を思うと、もう顔がにやけてくるぜ。

 

1km地点通過。残り99km

 

終わらない地獄。美女高原に挑む。

 スタートして3.5kmの地点に飛騨高山の有名な観光地、古い町並みがある。

 

まるで江戸明治時代にタイムスリップしたかのような家々は、新興住宅街に生まれた私にとっては非常に珍しいものだ。完走し終わったら是非ともゆっくり観光したいものだ。

 

そこから平和的にフラットな道のりが続くのも10kmまで。分岐点となるファミリーマートを右へ曲がり、木曽街道と並行した農道を進むとここからはひたすら登ることになる。

  

時刻はまだ6時前後だろうか、すっかりと日が出ており気温もまずまず。視界が開けた農道を走るのは実に気持ち良い。

 

「おはようございます!おはようございます!」

 

さすがに街の中心部から外れているので応援は少ないものの、それでも時折コース沿いに出て応援してくれる住民たちの温かい声援1つ1つがありがたい。だってまだ朝なのに・・・

 

しかしそんな応援もこれでしばらくお別れであろう、第1の難関「美女高原」に挑もうぞ。

 

普通のマラソンコースなら、登りといっても距離は大体100~200m位だろう。都市型マラソンで言えば、難コースと言われる富士山マラソンでは500m位連続で登る箇所もある。私が走ったことのあるコースで言うと、下関海響マラソンでは2km近くひたすら登る箇所もあったような。

 

また、必ず登ったら同じくらいの距離を下ることになるので、だいたいそれでタイムが平滑化される。

 

しかしながら、これから挑む「美女高原」約7kmひたすら登る。しかも登り切るまではまったく下りはないという。

 

時折つづら折りになっており、先に行くランナーがチラホラ見えるが、これが憎い・・・。「あそこまで登るのか」と心が折られる。

 

また、曲がりくねった道を進むため先が見えず、ようやく登り切ったと思いきや・・・曲がった先には更なる勾配の登りが現れて、これまたランナーの心をへし折ってくる。

 

細かいピッチで焦らず焦らず・・・キロ6分30~7分くらいまでペースを落としてひたすら登る。

 

「ここを曲がっても・・・どうせまた登るんでしょ?」

 

希望を持たずに常に登る心構えでひたすら・・・ひたすら・・・

 

どんなにスピードを落としても、絶対に歩かないことだけを心に近いひたすら・・・ひたすら・・・そしてようやく

 

美女高原、走破

 

「フゥゥゥゥゥーッ!まずは1つめ」

 

 まだまだ登りは続くが、とりあえずは難所を1つ走破できたことに安堵。名物のトマトジュースがカラダに染み渡るぜ。・・・ほんとにじんわりと染み渡る。。

 

限界に挑め、最高到達点1,345mの闘い

美女高原を抜けると一旦下りへ。ここで登りのタイムロスをリカバリーしたいと思うが、さすが難コース。下りもひと癖とな。

 

約2km、ひたすら下ることになるとは

 

登りと下りでは走り方が全く異なる。下りで重要なのは、”如何にブレーキを掛けずに走ることが出来るか”だと私は思う。 

 

スピードが出過ぎることによる恐怖や、疲労してしまうのではないかという心配が頭をよぎり、ついつい後傾してブレーキをかけながら進みたくなるところだが、そうすることにより膝に与えられるダメージや、太ももに蓄積される疲労のほうが実は大きい(と私は考える)。

 

出来ることなら前傾して勢いに身を任せ、脚の回転率を上げてなるべくブレーキを掛けずに走った方が筋肉も緊張せず疲労を残すこと無く走れるというのが持論だ。

 

例外なく、美女高原を抜けた後の下り2kmもこの走法で駆け抜ける。

 

そして次なる難関「飛騨高山スキー場」を目指して・・・登る。

 

本コース最高高度1,345mを誇る難所の飛騨高山スキー場だが、そこに到達するまでの約20kmをひたすら登ることになる。

 

美女高原ですら7kmだったのに、今度はその倍以上登ることになるとはどんだけ厳しいんだ、飛騨高山。

 

登り始めの時点で現在20km。残り80kmも残して既に結構脚がキツイ。しかもこれから更に20km登るなんて、本当に100km走りきれる・・・のか?

 

なんて思ってはいけない。心に弱さを出せば必ずそこを突かれる。それが飛騨高山だ。

 

「うーし・・・ぜってー歩かねぇ。。俺はこの登りで何が起きてもぜってー歩かねぇ!!」

 

既に周りを見渡すと、執拗に続く坂に嫌気がさしたのか、それともここで無理して走る必要はないと踏んだのか歩き出しているランナーがチラホラと。

 

だいぶ日が高くなり気温も上昇してくる中、心拍数が上がり過ぎないように、脚の疲労と相談しながらギリギリのところを攻めて一歩、また一歩頂上へ向けて前進。

 

エネルギーマネジメントも忘れてはいけない。全身の疲労感にだけ目が行きがちだが、既にフルマラソンに近い距離を走っているということはカラダに蓄えたエネルギーは枯渇していてもおかしくない。

 

時折ある落ち着いた登りやエイドにて、持参したジェルを補給してハンガーノックにならないように注意して、またひたすら登る。

 

エネルギー、疲労、筋持久力、全身持久力、心肺機能、故障、熱中症・・・そしてペース、時間。

 

考えられる全ての要因に気をつけながら・・・それでも走るのを止めない。俺は歩かない。絶対に

 

「みんな今頃どこら辺走ってるんだろうな・・・頑張ってるかな。みんな・・・俺はまだ走ってるよ

 

そして最高到達点手前の大型エイドへ・・・

 

「フゥゥゥゥゥゥーーーっ・・・なんとか走り切れたか」

 

確かな達成感と、1つ大きな山を乗り越えた安堵感で思わず顔がニヤける中・・・嬉しいサプライズが

 

「・・・!?目里さん!!」

 

スタート直後にトイレ別れした同士、目里さんと合流。

 

「なんとか歩かず走り切れましたよ!」

 

はは・・・一緒だ。やっぱ皆頑張ってんだ!!

 

思わず嬉し泣きしそうになりながら、勇気とやる気を貰い背中を押された気分になる。

 

「さぁ行きましょうか!」

 

後半戦、開幕だ

 

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