【レース】函館マラソン2016。レースレポートその2【マラソン】
その1はコチラから
礼儀と覚悟
空港からの折り返しを後にして、津軽海峡を左手に海岸道路(漁火通)をひた走ります。
行きはよいよい帰りは怖いとはよく言ったもの。
レース序盤では、「神よ・・・(´c_,`)」とか言っていたのも束の間、今度は向かい風が激しくランナーたちに襲いかかる。
ハーフの地点を超えても雨風はお構いなし。時折弱まったように見せたかと思いきや、油断するのを待っていたと言わんばかりに全身を刺すように降りつけるその様はまるでツンデレを味わっているかのようです。
いらん、そんなの(´c_,`lll)
雨に打ち付けられようが風に煽られようが、切らすな・・・気持ちを!!!
自分自身に言い聞かせ、気持ちを奮い立たせてひた走ります。
長距離走の難しいところは体力面よりも実は、気持ちの面の方が難しいと私は思う。
単に「全てを出しきるっ!!」といっても実はこれが難しい。出し切る前に気持ちが切れてしまうのがほとんどで、1つのレースで持てる力を全て使い切ることができるようになるには、訓練と多くの経験、そして覚悟が必要であると思う。
そして、マラソンで一番重要なものこそ
覚悟
だというのが私の持論だ。
「このレースで最後になってもいい・・・」
常にそんな覚悟で挑むのが、私流のガチレースへの礼儀だ。
だからこそ次などもちろん考えない。ゆえに今走っているレースを投げるなんてことは絶対にしない!!
なんちゃってアスリート?望むところだ!!目の前にあることに真剣に望むことがカッコイイんだ!!
「まだ他にもレースはあるんだし・・・」
「明日仕事だし・・・」
余計なことは考えるな!お前は今どこを走ってる?函館だろ?このレースに賭けることができなくて他のレースで結果が出るか!?
行け
行け!
行けっ!!
海岸通を通りぬけ、駅周辺の電車道路沿いに戻ってくるとこちらにも沢山の応援が・・・
まだいけるのか?脚はもつのか?
もはやゴールまでの計算など出来ない。このペースを維持できるとこまでやってやる!
満身創痍で電車道路沿いを走る中、そして中盤の難所、谷地頭の激坂へ・・・
だめだ・・・ペースを落としたら気持ちが切れる。。このまま行くしかないっ!
「い・・・ぎ・・・ぎ・・・ぎ・・・」
「ぎぃっ!!!」
25km通過。
残り17.195km
何かが切れた音がした
谷地頭の坂を抜けた後は、比較的フラットな道のり。
自分でも未だペースを維持できていることが不思議でしょうがない。けど、まだやれる。まだ夢を見ていたい。
脚も限界、酸素も足りず、思考が働かない中で選択できることなど少ない。が、選択ができるなら私は走ることを選ぼう。
それがきっと一番楽な道だから。
諦めて後悔の念を背負って函館を後にするなんて、絶対に嫌だ、耐えられない。
どんなに苦しくたって後悔するよりはマシだ!!
自分に言い聞かせてなんとかペースを維持、そしてようやく見えた30km地点マーク
「ハァ・・・ハァ・・・よし・・・きた・・・!!」
「ここさえ・・・抜ければ・・・あとはともえ大橋だけだ・・・!!」
そして最後の難所、ともえ大橋に向かう坂を登り始める・・・が
ズンッ
「ハァーーッ・・・ハァーーッ・・・」
「脚が・・・あがんね・・・」
突如に襲いかかる全身への疲労感。脚も水の中で走っているかのように重く、何より呼吸が追いつかない。
同じペースで走っていたランナー達の背中が少しずつ、また少しずつ遠くなっていく・・・
「だめだ・・・登りじゃもう維持できない・・・そうだ、下りを使って追いついて・・・」
ズンッ
抵抗が、できない・・・
32km通過。
残り10.195km
続く。